当サイトはアフィリエイト広告を掲載しています

精神科の看護師と偏見について

精神科の看護師は、偏見を持たれていることがあります。「あなたは精神科で働きたいですか?」と聞かれたら、きっと意見は2つに分かれるのではないでしょうか。

精神科は怖い・危険といった印象から「できれば働きたくない」と考えている看護師さんも多いでしょう。

精神科は、その歴史や特性のために医療者や社会から偏見を持たれやすい診療科であると思います。

実際も精神科専門病院は郊外の山の中に建っていたりと、住民とは離れた環境に置かれていることも多いです。

私は現在、総合病院で常勤として働き、非常勤として精神科専門病院で働いています。

私も当初は精神科に先入観を持っていましたが、実際に働いてみてそれが偏見であったということに気付いたことがあります。

今回は精神科の偏見とその実際について、働いている看護師の立場からお話ししたいと思います。

精神科の看護師への偏見で、社会的なものとは?

精神科 看護師への偏見には、まず社会的な偏見があります。社会的な偏見には2つの要因が考えられると思います。

1つは歴史的な要因として、過去に日本も「精神病者の私宅監置」といって自宅の座敷牢に精神疾患の方を閉じ込めていた時代があります。

その後1950年ごろから、私宅から精神科専門病院への入院対応が中心となりました。現在のような、精神疾患の患者さんの社会復帰支援や自立支援を地域で支えるといった流れは1990年代辺りから起こっています。

精神疾患の患者さんが病院から地域へ出ていくようになったのは、まだまだ歴史が浅く、つい最近の事といえるでしょう。

もう1つの要因には、マスメディアによる報道の要因もあると思います。犯罪者に対する精神鑑定の実施であったり、精神科への通院歴と犯罪と結び付けるといったマイナスのイメージを前面的に報道している印象もあります。

しかし実際には、犯罪者の中で精神疾患患者の比率が高いというデータは認められていません。

ですから報道の仕方によって、一般視聴者が「精神疾患は人を傷つけることがある」、「とても危険な疾患」だというイメージを持ってしまっている部分も大きいと思います。

精神科病棟のドキュメント番組においても、患者さんの症状が悪化している状態ばかりを映像に流していることがあります。

これでは、視聴者にはやはり精神疾患は怖い、理解できないといった印象しか残らないでしょう。そして世間は良い噂よりも悪い噂の方が広まりやすいものなのです。

看護師同士の噂も同じではないかと私は思います。精神科の経験を他者から聞いた時に、きっと良いエピソードと悪いエピソードを同じくらい伝えられていたとしても、暴言や暴力などの悪い話の方が頭に残りやすいのではないでしょうか。

そのような情報の受け取り方からも、精神科の偏見は生まれているのではないかと思います。

しかし実際に働いてみると、現場にもよると思いますが病棟はとても明るくて綺麗に整備されています。

患者さんも急性症状を脱して、服薬によるコントロールが行えていれば、むやみに暴れたり暴力をふるうことはとても少ないです。

精神症状が安定してくれば、レクリエーションを一緒に行って楽しむこともあります。このように精神科は一概に怖い、危険とは言えない現場だと思います。

精神科 看護師への偏見・・・男性の職場?

精神科 看護師への偏見として「男性が働く場所だ!」というものがあります。

精神科の職場は、患者さんの精神症状による暴言や暴力が認められることがあります。

暴れている患者さんをなだめたり抑えたりする必要があるので、女性看護師には適さない職場だと思っている看護師さんも多いようです。

確かに、精神科救急外来や緊急入院を受け入れている病棟は、急性症状をきたしている患者さんが多く運ばれてくるので、男性看護師の方が女性看護師よりも多いです。

成人男性が理性を失って暴れたら女性看護師では到底抑えることは難しいので、男性の方が適している現場といえるでしょう。

しかし精神科療養病棟や認知症病棟では、看護師の男女比は同比率もしくは女性看護師の方が多い傾向にあります。

療養病棟では急性症状をきたす患者さんは少なく、強い力仕事はあまり必要になりません。

しかし時折、措置入院の受け入れなどで、患者さんに不穏や暴力の傾向がある場合は、男性看護師ができるだけ対応するようにしています。

夜勤においても必ず男女ペアで看護師を配置する病棟もあります。また女性看護師のみの夜勤でも、全病棟の夜勤者が把握できるようなシステムになっていて、何か問題があればすぐに他病棟の男性看護師に助けを求めることができるという病院もあります。

このように現場によって女性看護師に負担がかからないような配慮がなされているので、女性看護師も精神科は安心して働くことができます。

精神科の看護師への偏見は以前より少なくなってきている!

精神科の看護師への偏見は、それでも以前よりは少なくなっていると私は感じます。

精神科の看護師として働いていると長期入院や社会的入院となっている患者さんが多くいらっしゃいます。

看護師は、閉鎖病棟から解放病棟へ、そしてグループホームや自宅退院といったステップで看護計画を立てています。

しかし、身近な家族からも精神疾患の偏見から理解を得られることが難しいこともあり、家族に自宅退院を拒否されてしまうこともあります。

親の高齢化によって「生活の援助はできない」、「暴力行為が起こったら怖いから受け入れは無理」という家族も多いことが実際です。

一方、在宅で家族をサポートするような支援体制やグループホーム、デイケアなども、まだまだ少ないです。

在宅支援体制がもっと整うことで、精神科病院に入りっぱなしではなく、社会に再適応できる患者さんは少しでも地域に帰ることが出来るようになるといいなと感じています。

しかし以前と比べると、少しずつ社会の偏見は少なくなってきていると思います。

特に近年は核家族化や高齢化社会、ネット社会、経済不況など様々なストレスを受けやすい社会へ変化してきています。

育児や介護、インターネット、仕事などのストレスによって、心が病んだり精神疾患を発症する患者さんも増えています。

このような背景からも、メンタルヘルスや精神疾患の情報が少しずつオープンな情報となってきています。

そして街の心療内科や精神科クリニックも増えてきており、受診自体が恥ととらえる人も少なくなっている傾向があるのではないでしょうか。

また看護業界においても精神科専門看護師や精神科認定看護師、リエゾン看護師のように専門性が高まってきています。

将来的にも、メンタルヘルスの重要性はより注目されていくことでしょう。あなたも偏見や先入観ではなく、心の看護の専門性や必要性を意識して精神科の現場で働いてみませんか?看護師転職サイトと一緒に、やりがいをもてる精神科の職場を探しましょう。


執筆者情報

株式会社ドリームウェイ精神科の求人 - 看護師を辞めたい人へ 編集部

精神科の求人 - 看護師を辞めたい人へは、厚生労働大臣から転職サポート(有料職業紹介事業)の許可を受けた(許可番号13-ユ-314851)株式会社ドリームウェイが運営するメディアです。転職サポートの経験を活かし、定期的なリライトや専門書を用いたファクトチェックなど、ユーザーに正確な最新情報を届けられるよう努めています。


転職サイトランキングを見る